特区並みの優遇策 5
面白いほど儲かって、あっという間に庭付き洋館の自宅に自家用車、そして、金塊などを持つ資産家にのし上がっていきましたが、林さんのリッチな暮らしはそんなに長くは続きませんでした。
新中国誕生とともに証券取引所は閉鎖され、林さんの証券会社は解散。
その後は国営の玩具工場の労働者として定年まで働いたのです。
この間、文化大革命の嵐のなかで林さんは「投機の罪」で捕まり、ブルジョワ階級として取り調べを受けたこともあります。
こうした苦い思い出について多くを語ろうとしない林さんが、ここぞとばかり口が軽くなるのは、やはり株の話をするときです。
毎週月曜日に町内の老人喫茶室で開かれる「証券情報交換会」ではそのリーダー格として解説役を務めています。
林さんら、こうした解放前の「株屋さん」たちが証券市場の改革を進めていく上で、知恵袋として再び日の目を見ることになりました。